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論文紹介:目頭切開の術式比較

目元(二重以外)美容外科

2024.06.16

皆さんこんにちは、R Beauty CLINIC銀座院副院長の吉田です。
今回は少しテイストを変えて、医学論文の紹介をします。目頭切開に関する論文を2点紹介して、まとめます。

①Z法とリドレープ法の比較
1件目は中国の2018年の論文です。

原著論文のタイトルは
Cosmetic and structural outcomes of two different techniques of medial epicanthoplasty according to epicanthal fold classification and severity: A cohort study(PMID: 3006849)
というものです。

研究の手法は本題ではないため割愛しますが、コホート研究という手法で、Z法とリドレープ法という2つの方法について比較研究しています。 

論文自体の内容の前に、まずは一度Z法とリドレープ法について解説します。

  • Z法は現在日本で標準的に行われている手法であり、形成外科的によく使用されるZ皮弁形成という手法の応用になっております。
  • 蒙古ひだのツッパリを移動させて解除させます。皮弁を二つ作ることでそれを入れ替えます。
  • この方法は日本で多く使用され、日本の美容外科ではこの手法が中心となります。
続いてリドレープ法についてです。

  • こちらがリドレープ法と呼ばれる方法です。キズはZ法に比較して大きくなりますが、傷痕がちょうど皮膚表面から粘膜移行面に位置するため、目立ちにくいといったメリットがあります。
  • この方法は日本ではあまりメジャーではありませんが、韓国で多用される傾向にあります。

では、本題の論文の内容に移ります。

今回の研究では対象の患者は 106 人、両眼で計212 眼になります。観察期間は6か月間でした。
美容的な評価項目は満足度、対称性、滑らかさ(内眼角から下まぶたへの自然な移行性)、瘢痕の4項目です。
また、内眼角間の距離の改善度(離れ目の改善具合)に関しては数値的に比較しています。

結果は、

・対称性・満足度に関してはZ法でもリドレープ法でも同等の結果でした。
瘢痕に関してはZ 法の方が優れていました。
・術前の蒙古ひだの形態にもよりますが、滑らかさではリドレープ法の方が概ね優秀な結果を残しています。
・内眼角距離の改善(離れ目の改善度合い)に関してはリドレープ法の方が優秀でした。 

②目頭切開 3 つの異なる方法の比較
2件目は韓国の2015年の論文です。
原著論文のタイトルは
Structural and cosmetic outcomes of medial epicanthoplasty: An outcome study of three different techniques(PMID:26155997)
というものです。

  • 今回の論文はZ法・V-Y法・Mstarde法という方法の比較研究になります。
    Z法に関しては上述したので、また、Mustarde法に関しては日本ではほぼ行われていないため、術式に関しては割愛します。

    最初にV-Y法に関しての説明です。
     
BCSC 2020-2021 series: Section 10 - Glaucoma.より抜粋
  • V-Y法は、Y字型に切開し、頂点の位置を移動させながら縫合することで目頭の位置を移動させるという術式になります。

では、本題の論文の内容に移ります。

対象は患者46名、92眼です。

評価項目は目の横幅の大きさ、及び美容的3項目(外観、対称性、瘢痕)になります。

結果は、
・目の横幅に関してはZ法、V-Y法、Mustarde法のそれぞれで平均 1.74 mm (8.4%)1.64 mm (8.9%)1.89 mm (12.9%)、広がりました。
・外観としてはZ 法やV-Y法がMustarde法より優れていました。
・対称性に関しては同等の結果でした。
瘢痕に関しては概ね Z法が優秀でした。また、術後 6 か月までの経過で経時的に改善が認められました。 

③当院としては
上記はあくまで二つの研究の紹介ですが、おおむねZ法は基本的には優良な結果を残しています。
なので、当院としては基本的にZ法による目頭切開術をご案内するようにしています。
リドレープ法も優秀な結果と思われます。特に末広型の二重を維持したまま目の横幅を大きくしたいという人にはいい結果になります。
これをお読みになられた患者様も、何かご興味のある施術方があったらカウンセリングの際にお気軽にご質問ください。

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